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最近、サンバ界は結婚ブーム?である。 ごくまれに、思い切り勘違いしている男が「エスコーラ(サンバチーム)」に入ってくる。あの挑発的な衣装に身を包んだ(というか、彼らにとっては「脱いじゃってる」ように見える――Vol.2参照)女の子たちとお近づきになりたい一心だ。彼らから見ると、そういう女の子たちは「奔放」なのではなかろうか、という錯覚まであるようだ。ところがあにはからんや、エスコーラの女の子たちはかなりまじめである。ライブハウスなどで踊っているだけならともかく、エスコーラに所属してパレードをやるということになると、集団行動がある程度できる性格でないと難しい。それなりの秩序に従い、ときにはしんどい仕事もこなさなければならない。あまり「奔放」にふるまって人間関係を乱すのも御法度である。 サンバはよく、「ストレス解消」にもってこい、と言われ、それはウソではないが、エスコーラに所属することはヘタをするとそれ自体がストレスの元になるようなことさえある。もっとも、それらを乗り越えて本番のパレードに臨むとき、すべては報われて余りあり、他では味わえない達成感や充実感を感じるのであるが。 そういうわけで、勘違いしてエスコーラに入ってきた男は、あっと言う間に「夢」破れ、去っていくことになる。しかし、そういうことが「第一の目的」ではなく、実際にサンバが(ダンスであれ音楽であれ)好きで参加している人々にとっては、たしか に、趣味を同じくするパートナーに出会えるという余録もついてくるのである。 そして、めでたく「結婚」に至ったカップルは、サンバ界ならではの派手で楽しいパーティの主役になれる。基本的にサンバ人は仲間が多いので、まずパーティの人数がすごくなる。200人ぐらいは普通だ。そして「出し物」もすごい。新郎新婦をダシにしたつまらないゲームなどやっているヒマはない。エスコーラの中にいくつもある小編成のバンドのライブが目白押しだ(もちろん出演料はかからない。新郎新婦自体が出演することも多い)。最近ときどき出現する、他エスコーラにまたがったカップルだと、さらにものすごくなる。出し物の目玉は、両エスコーラの競演ということにあいなるわけで、サンバカーニバルを二人のためにやっているような騒ぎとなる。もちろん、花形ダンサーたちもフル装備の衣装をつけて出演だ。そういうパーティであまりの盛大さに感極まって泣いてしまった新郎もいる(新婦はひたすら満面の笑顔だった)。 新郎新婦の学生時代の友人や会社の同僚など、サンバ界以外からの参加者は目を丸くする。ひときわドレスアップしつつ、少しおどおどした態度でひとかたまりになっている列席者は非サンバ人と思って間違いない。しかしそういう人々にも、人なつこいサンバ人たちの魔手はしのびより(?)…パーティの最後には、ダンスの輪に引きずり込まれた彼らも一緒になって汗をかいて、怪しげなステップで踊り狂っているのだ。 きのうもそういうパーティのひとつがあり、原宿の明るく大きなイタリアレストランを貸し切りにして幸せな空間が出現した。新郎のほうはまだエスコーラに所属していない(近々新婦によって引きずり込まれる予定 *←注:この記述は2001年のもの、2008年現在この新郎はすでに重要メンバーのひとりになっている)が、ボサノバなどブラジル音楽のパンドでギターを弾いている。その新郎自らのバンドはもちろん、友人のビッグバンドも出演し、 それを見て、「まだこれから」である女性陣は、いつか私も、の思いを新たにしつつ顔を紅潮させる。 しかしそういうロマンチックな感情とはあまり縁がない我らがプレジデンチ氏はそれを見て、 …おいおい、と一瞬鼻白むも、たしかにそれは言えている。目立ちたがりの新郎新婦も多いから、にわかサンバダンサーに仕込んで踊ってもらうのもオプションでいいのではないか、そしたら事前のレクチャーと衣装つきのコースも設定して…と私も一緒になって営業思考になる。 それにしても皆様、いかがでしょう?サンバショーつきのパーティは絶対に、友人たちに長く語り継がれる伝説的なパーティになること請け合いである。ギャラは勉強しまっせ?(いやまじめな話、芸能プロダクションなどに頼んだら10倍はかかるでしょう) 注:ネピア連載時、この項を読んで実際にサンバウエディングを頼んできた「一般人」の方があり、「営業」してきました。 サンバに使う楽器、と言うと…? まあそれはともかく、サンバでマラカスは使わない。それに、これまたそう思っている人が多いと思われるのだが、タンバリンは? これも、使わない、のである。 「でも、サンバでタンバリン使っているの見たことある」 たしかに見た目は「タンバリン」に似ている。直径30センチ内外、深さ5センチほどの枠に皮が張ってあり、枠にはジャラジャラ鳴る「ジングル」という金属の円盤がついている。
しかし、私たちが小学校で使ったり、カラオケボックスに置いてあったりするタンバリンと違うのは、そのジングルが、貝を合わせたように内側に向けてあるのである。タンバリンは、ジャラジャラと鳴らすのが身上の楽器なので、大きな音がするようにジングルは背中合わせについている。 パンデイロは、片手で持ち、張ってある皮をもう一方の手で叩くことによって奏する。手のひらの、親指の下の盛り上がった部分で上手に叩くと、ぴっくりするほど低く、深い音がでる。 指先のほうで軽く叩くと軽快な刻み音が出せ、ジングルが華やかさを加える。 上手なパンデイロ奏者の演奏を見ると、こんな小さな楽器ひとつからかもし出されているとは信じられないような、多彩で華やかで奥行きの深いリズムに驚くだろう。ドラムセットにも匹敵するほどの複雑なリズムが演奏できるのである。
さて、このパンデイロ、少人数のときには花形だが、大人数のパレードになると困ってしまう。さすがに小さい楽器なので、マイクでもつけなければパレードの中で音を聞かせることは難しい。もともとソロ演奏向きの楽器なので、パンデイロが何十人も揃ったところであまりパレードっぽくはない。 パレードで音を聞かせることはあきらめたパンデイロ君は、曲芸的なパフォーマンスの小道具としてその地位 ちなみに、最近音楽好きの人々の間で注目されているプラジル音楽のジャンルがある。 ↓ジョルジーニョ・ド・パンデイロのパンデイロ妙技 ※動画が表示されない場合はページを再読み込みしてみてください。 | |||||||||||||||||
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