基礎知識 @  動詞の活用について


ポルトガル語は,時制・主語の人称・話法などによって動詞が活用する。

@直説法と接続法
  直説法はふつうの話法であるが,接続法は,願望や仮定など(すなわち,客観的な事実ではないこと,主観的なこと)を表すときに用いられるものである。
  このHPでは,とりあえず直説法のみの活用表を掲げ,歌詞中に接続法がでてきたときはその都度説明する。

A時制
 直説法と接続法とを合わせると活用形だけで10もの時制があり,さらにhaverなどと組み合わせて完了時制などをつくるポル語の時制はたいへん複雑である。このHPの活用表では,直説法の現在・完全過去・不完全過去・未来形をとりあげる(他に,大過去,過去未来,および接続法の各時制,命令法,があるが当面とりあげない)。
●完全過去と不完全過去について  完全過去は,普通の過去形である。不完全過去は,「〜していた」という過去進行形や,「〜したものだった」という過去の習慣を表す。
●命令形について  「命令法」という時制はあるが,一般には3人称現在の形が命令形として用いられているようである。
●現在分詞(英語の〜ingにあたるもの)は,動詞の語幹(語尾のrを取った前の部分)に-ndoをつける。
●過去分詞は,語尾のir,ar,erを取って,-idoをつける。

B人称について
 英語などと同様,1人称(私,私たち)2人称(おまえ,おまえたち)3人称(彼,彼女,彼ら)があるが,2人称は親称(親しい間柄のみで用いる)であり,普通にはあまり用いられない(とくにブラジルではあまり用いないらしいが,歌詞にはときおり出てくる)。
●「あなた」など,一般的な意味上の2人称を表す語はvocê(s)だが,これは文法上では3人称として扱われる。
また,さらに目上の人などへの尊称として,男性にはo senhor,女性にはa senhoraを代名詞としてもちいることがある。やはり活用などは3人称になる。

C規則動詞と不規則動詞
 規則動詞は3種類あり,語尾が-arのもの-erのもの-irのものではそれぞれ活用が異なる。
 よく使われる動詞は不規則動詞であることが多い。不規則動詞でも,未来形は規則活用する(ので個々の活用表には省いた)。
 不完全過去も規則的であることが多い(例外のみ活用表に載せた)。また現在分詞・過去分詞もほぼ規則的だが,例外もまれにある。
D原形の名詞としての使用
 動詞はすべて,原形で「〜すること」という意味の名詞として使われることもある(この場合,男性名詞になる)