1999/11月  第8回   
キソチシキ★あの歌も実はエンヘード!

実は今回は〈ダンサーの好きなエンヘード〉について書こうかと思っていて何人かに聞いてみたのです。そうしたらほとんどの人が「よく知らないの・・・」。そうかそれは残念! というわけで今回は題しまして”あなたもいつのまにかエンヘードを歌ってる”です。(投稿コーナーは今回お休みなのです)
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★ブラジルでも近年の若者はサンバなんていう「貧乏臭くて泥臭い」音楽は聴かないらしいし、どこかの国と同様に、北米の音楽に占領されたかのような有り様だとか。だけどそれでもサンバが日常の中で発生した音楽だからこそ、時代や世代を越えて「歌い継ぐ」というスタイルが残っているのですよね。だからこそ『みんなで歌える曲・みんなが知ってる曲』というものが存在するのだと思います。
★ブラジルに行ったことのある皆さんが言うのが「ほんとに音楽好きなんだよねぇ」。あっちこっちで叩いたり歌ったりしてるって。そしてそのような場で生まれた音楽がパゴーヂなのですが、そういう場に欠かせないのが『みんなで歌える曲』なのでしょう。☆私たちが時々やるパゴーヂだってそうです。人の歌を聞くのも楽しいけれど、サビの部分だけでも一緒に歌えると、一層楽しいじゃないですか。
★そういう『みんなで歌える曲・みんなが知ってる曲』は、もちろん日常的なパゴーヂから生まれることもありましたが、カルナヴァルのためのサンバ=Sambas de Enredo(エンヘード)から生まれることもしばしばありました。ブラジルではカルナヴァルの存在がやはりとても大きくて、だからそこでの”エンヘード”の社会的存在もやはり大きいという特徴がありますよね。カルナヴァルの前にはそこら中でガンガン流しているのですから、いい曲は当然ヒットする。ただそれも普通は季節物扱いで、そのとき限りです。しかしその中で稀に、歌い継がれていくエンヘードもあるのです。
★★いいなぁ〜〜。そういうの★★
★浅草のエンヘードがヒットチャート入りする・・・想像も難しいですが、昔は日本でもそういうのがあったんじゃないかなぁ。祭での歌が日常歌われたりすることって。(昔、ファッションにおいてはありましたよね。売れっ妓の芸者さんが祭で結んだ帯結びが大流行し、堅い家の娘さんたちまでこぞって真似をしたもんらしいです。当時のトレンドリーダー(死語?)だったんですねぇ。)日本にもそういう土壌はあったのに、失ってしまったのは残念なことです。
★それはさておき。というわけで「エンヘード?あんまり聴かないからわかんない」と言ったあなたも、実はいつのまにか歌っちゃってるんですね〜〜。
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☆『ウ アマニャ』(リベヂの練習の「歌の時間」でも何度か歌いましたよね?)もSambas de Enredoです。この頃のエンヘードが一番好きだという人も多いです。
★『ひおーじ』『テンシーンシーン』もそうです。
☆一部の人からは「おやぢ系サンバ」の代表とも言われる『アクアレイラ・ブラジレイラ』もそうです。(私は最初の頃、ディズニー映画の主題曲で有名になった「アクアレイラ・ド・ブラジル」と混乱してわけわかんなくなりました)
★それから、これらは知ってる人も多いでしょうが以下もエンヘードです。
☆まずは”Liberdade Liberdade”。我らがLiberdadeのイメージ曲であるかのような、ダンサーのかっこいい振り付けでもお馴染みの曲ですね。びっくりするほどたくさんのアレンジで歌われ録音されています。それだけ本国ブラジルでも人気があるということなんでしょうね。
☆そしてやはりダンサーの振り付けの愛らしい”ナゴーによる天地創造の伝説”(原題は長いので書きません)もそうです。
☆それからバルバロス様から振り付けを教えていただいた”テンゴ・テンゴ”。これには私も騙されたのですが、これはなんとサルゲイロのものだそうなんですよ。歌詞の中で「おお!マンゲイラ!」なんて言ってるので、てっきりマンゲイラのものかと思っていました。
★本当はもっともっとたくさんあるのですが、ちゃんと調べてません、ごめんなさい。これについては次回またちゃんと書きたいです。「あれも元はエンヘードなんだよ〜」をご存知の方、ぜひ情報ください!

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