| 〜人生の旅路?〜 | 2000.6 | <おおゆみこサンバ化日記> |
●ある日バンドの練習の帰りのこと、東横線の車内で妙なわめき声がする。かなり夜も遅く酔客も多い時間だったので、まあよくある酔っ払いだろうと思ったし、たしかにそうだったのだが、見てみると声の主は、だれかの結婚式帰りらしく礼服を来た若めの男。そしてそいつはただ喚いているのではなく、『号泣』していたのだった。片腕の袖で両目を覆いながら「おおおおお〜〜〜〜っ」と大泣き。あまつさえ、自らのアタマをゴンゴンっとドアに打ち付けたりしている。「なんか・・・ドラマでもあそこまではやらないっすよね・・」とゴリ。「そうだよね、ドラマであれやったら監督に『おまえ、それはクサ過ぎるぞ』って言われちゃうよね」「事実はドラマより奇なり、か」 まあ私たちは勝手に、密かに思いを寄せていた女がいて、しかもその女の恋愛相談まで受けていたお人よしのオトコが(そこまで決める)、その女の結婚式で我が身を後悔しまくっている図、と決め付け、「分かりやすい反応だなあ」とか言っていたが、ほんとに分かっていたのかどうかは知る由もない。しかし「礼服でひとり号泣する男」には放っておけないインパクトがあった。私たちだけではなく、その日その男と同じ車両に乗り合わせた数十人あるいは百人を超える人々が同じように決め付け、同じように話題にしたのであろうなあ。
●それより先、その日練習へ行く途中では、やはり同じ東横線の駅のホームで、酔っ払っていたらしいお嬢さんが、ふらふら歩いていたかと思ったらよろけて、太田丸の目の前で思い切り倒れてしまった。そしてなんと、半身がホームの端から線路に落ちかかり、そのままズルズルと行ってしまいそうになった。焦った太田丸はとっさにそのお嬢さんの足をつかみ、そばにいたおばさんと一緒に必死で引き上げたのだそうだ。幸いに電車が来るタイミングではなかったので惨事は免れたものの、「びっくりしたよー。いやあ、人命救助しちゃったよ」。いやほんと、タイミングが悪かったら冗談抜きで危ないことである。
●だれでも電車に乗ったりしてあちこちをうろうろしていれば、どこかしらで「?!」という光景とゆーか人間模様というか、には出くわしているわけで、ひとつ話題が出ると「そういえばこのあいだ・・」と次々出てくる出てくる。
●客だけではなく駅員も、同じことを毎日やっていてもときにはコケる。構内アナウンス「ただいまの時間、エスカレーターは車椅子のお客様優先となっております。お急ぎのお客様は階段をご利用ください」(なんかこれもちょっとヘンだけど)そして再度同じことを繰り返そうとして「お急ぎのお客様は車椅子をご利用ください」と言ってしまったのは、たしか国分寺の駅員さんであった。別の駅では「ドアが閉まります、ご注意ください」という定番のアナウンスを繰り返していた駅員さんが、閉まりかけたドアに駆け込もうとしてケつまづきかけたお客さんについ気を取られ、思い切り気の抜けた声で「ドア、し、閉まるぅ・・」とヘンに色っぽくアナウンスしてしまった。
●・・・・これで電車人間模様話のシリーズは締めるはずだった。しかし最後に、すべてをぶっとばす強烈なネタが舞い込
んできたのである。婚約して幸せいっぱい、バカ全開(本人たちが『バカカップル』と自らを臆面も無く呼ぶ、勝手にしろ)、トホホもパワーアップした直ちゃんである。ある日クリーニング屋から返ってきたばかりのコートを来て外出した直ちゃん、電車の中で見知らぬひとにトントンと背中を叩かれ・・「あの〜〜・・・・コートにクリーニングの・・」タグがついてる、ならまあよくあるハナシであるが、次の言葉は「ハンガーがついたままですよ・・」。
●それを言ってくれた人はとっても親切で勇気あるヒトだったんだろうねえ、とその話を聞いて爆笑して呼吸困難になりながら皆は言った。しかし見て見ぬ振りをした人はそれまでに何十人もいたんだろうなあ。で彼らは家や職場で「いやあ、きょう電車の中でさあ・・」と話題にしたであろうなあ。トホホ権現様、婚約に浮かれて大盤振る舞いですなあ(本人のセリフ・・「黒いコートだったからさ、青いハンガーが良く映えちゃって・・」だって)。フツー、着れば気づくだろーにねえ・・・。それにしても電車や駅には人生の悲喜こもごもがてんこ盛りなのであった・・って、ちょっと結論に無理あり?
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