| 〜演技力のある/ない人々〜 | 1999.9 | <おおゆみこサンバ化日記> |
●浅草の打ち上げで,皆幸せそうな顔をして,ビールを片手に,表彰式から帰ってきて結果を報告してくれるはずの一団を待っていた。そこへお待ちかねの彼らが入ってくる・・・が,しかし,か,顔が暗いぞ・・?金沢さん,ひさぎ,藤井さん・・眉間にしわを寄せながら歩いてくる。そして金沢さんのスピーチ「え〜〜,今年はリベルダージはシステム再構築の年で,順位は第一義ではなく・・・」
●みんな泣きそうな顔になる。「え〜〜,なんで〜〜〜」。「落ちちゃったんやろか・・」・・・しかし,威張るわけではないが(いや実際イバって言うのだが)彼らが暗い顔で入ってきた瞬間,私おおゆみこは,内心「やった!」と思っていた。つきあいの長い,あるいは濃い連中である。お見通しよ。この連中は,本当に結果が悪かったときにはこんな顔はしない!そう確信して,私の頭には「優勝」の2文字すら浮かんでいた。そばで泣きそうになっているよねちゃんに「だ〜〜いじょうぶだって。考えてもみ,この人たちの性格」と言っても,まだ不安そうなよねちゃん。
●果たせるかな,金沢さんは「と,いうわけで,順位はこだわらない,と言ってきましたが・・・・ひとつ上がりました〜〜〜! 準優勝です!」 おおおおおおおおおっっーーーーーー!やったーーーー!! 喜び爆発である。うれし涙をだーーーっと流すもの続出。それにしたって,この連中の「演出」の賜物であった。「金沢さんたちの演技のおかげで泣かされちゃったよオ」と嬉しいやら悔しいやら。
●なかには,金沢さんとひさぎの沈痛な顔は「またまた〜〜ぁ」と,演技かもと思っていた人も私以外にもいるらしい。でもその後に続く藤井さんも大まじめな顔をしている。「ふぁ?やっぱり?・・」と不安になった,と言っていた。でもさらにその後に続くこゆみこの「鼻孔がふくらんでたので,やっぱアヤシイと思った」というするどい人も。しかし大半の人はコロリと騙されていた様子である。しかしそのおかげで嬉しい気持ちも倍加したってことで,彼らの演出もなかなかである。
●私はしかし,個人的にはこういう演技が苦手である。いや,もちろん今回私が仮に表彰式に出ていて,こういう企画が持ち上がったとしたら大賛成はしていただろう,が,私はちょっと演技は遠慮させてもらう。「嘘がつけない」とかかわいこぶって言うつもりもないが,そういうところ,演技力がないのである。ないというか,こそばゆく,照れくさく,はたまたじれったく,いけしゃあしゃあとは出来ないのだ。世の中にはこういう「いたずら」が大好きな人も多く,またそれに「騙されやすい人」と「騙されにくい人」がいる。私自身はけっこうひねているのか,騙されることは多くないが,素直に騙されている人を見ると可愛いやら気の毒やら。
●まあそういう「いたずら」は可愛いもので,決して否定はしないが,基本的には人生で最後に勝つのは正直者,という信念を私は持っている(ーーって,自分の演技力のなさを正当化?)恋愛のかけひきだの,ビジネスのかけひきだの,というが,結局は,もちろんタイミングや状況をはかるような思慮は必要であるものの,妙な細工はせず,ありのままを出していくのが最善の方法であり,最善の結果を生むと信じている。
●長距離通学していた大学生のある日,帰宅時の混んだ列車で立ったまま本を読んでいたら,ボックス席の奥が空いたのである(東海道線なので長距離列車のボックス席仕様なのだ)。かっこつけの私はいつもなら座らないが,その日は疲れていたので座りたかった。それで,盛大に荷物を(たまたま大荷物だった)網棚にあげ,ちょっとすいません,などと手前の人によけてもらってどっかりと座ったのである。そして窓の外を見ると・・「おおふな」・・・私の降りる駅であった。横浜だと思いこんでいたのだ。ううううう。困った。これだけ盛大に座ってしまって今さら・・・。しかし藤沢まで行ってまた引き返してくるのもしんどい(しつこいようだが,かっこつけの私は疲れていなければきっとそうしたが)。列車は少し駅に停車している様子。ええい,やっぱり降りよう。そして私はまた盛大に荷物を網棚から下ろして「す,すみません」と言いながら人をどかし,そして「やっぱり藤沢(次の駅)に行くのはあしたにしよう」と聞こえるようにわざとらしくつぶやいて降りたのであった。
●最後の台詞はいわずもがなの帳尻あわせである。何度も言うが「かっこつけ」なので「あ〜〜間違えちゃった〜〜」などと素直に笑われものになることができなかったのである。しかし言ってしまってから激しく後悔した。だって「見え見え」じゃ〜〜〜ん。周囲の人はきっと可笑しかったに違いない。我ながら馬鹿馬鹿しいようなわざとらしさだった。「間違えちゃった〜〜」という状態より数段恥ずかしい状態であったことにずぐに気づいて,降りたホームで私は身悶えした。
●それ以来,私は「正直」をモットーにしている??? 神奈川県警ではないが,嘘やごまかしがバレたときほど恥ずかしいものはない。常々主張しているように,笑われもの,は良いが「嗤われもの」にはなりたくないもんである。
●だから(?とまた話は飛躍)私は表彰式には出ない。演技をしないですむように(?)。さてそれにしても来年はさらにもっと「暗い顔」の「演技」が見られるといいのだが(演技じゃなかったりして)。
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